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JAPAN TIMES 2001.11.10「パーソナリティープロフィール」By VIVIENNE KENRICK

JAPAN TIMES 2001.11.10「パーソナリティープロフィール」By VIVIENNE KENRICK

「日本では多くの子どもがディスレクシアだと認知されずに苦しんでいます。たとえそれが認知されたとしても、先生や地域の教育機関から実際にサポートを受けることは現状ではほとんどできないのです。」と藤堂栄子さんは言います。

彼女の息子はディスレクシアですが、16歳になるまでそれとわからずにいました。小学校時代、彼は、指示に従うこと、ルールを守ることに困難を感じていました。しかし、「これらのことは日本で最重要視されていることです」と藤堂さんは言います。「他の生徒は息子を『奇妙な奴だ』と面と向かって言い、先生方は『怠けている』と言っていました。彼は本当はとても賢く、いろいろなアイデアを次々と出すことができていたのに、それをうまく表現できなかったのです。彼はどうして書く能力がこんなに弱いのか、また、複雑な数学の理論を理解できるのに、どうして簡単な計算ミスをこんなにたくさんするのか、不思議でなりませんでした。本当に大変でした。」

2年前、藤堂さん夫妻は15歳になった息子をイギリスの学校に送り出しました。「彼はそこでディスレクシアだと診断されました。イギリスの先生方は子どもが小学1年生という就学初期の段階でディスレクシアかどうかを見分けられるように訓練されています。教師がそのようなディスレクシアの兆候を見逃したら、親はその学校を訴えることができます。先生は少々の介入でよりよいサポートを行う訓練を受けていて、息子もそのおかげで自信を取り戻しました。彼は今シックスフォームの2年目(日本の高校3年生にあたる)でAレベルの試験の準備をし、また、大学に入学することを楽しみに過ごしています。彼はとても芸術的で、デザインや環境建築といった分野に進むことを望んでいるようです。」

外交官の子どもとして世界中を渡り歩いていたことから、藤堂さん自身も一般の人とは違った負担を背負ってきました。16歳までにフランス語系の学校に入り、フランス、イタリア、ベルギーでの生活経験を持っていました。「インターナショナルスクールで英語を話し始めた頃には、ラテン語とギリシャ語をも学習していた私の頭の中は大混乱状態でした。しかし、この経験がよりよく働いて、後に翻訳者、通訳者となる糧となったのです。」と彼女は言います。日本に帰国後、彼女は帰国子女を受け入れる体制の整った私立の学校に入学し、その後慶應義塾大学で政治学を専攻するに到りました。

藤堂さんの祖父、西春彦氏は英国大使であり、また、彼女の実父の平原毅氏も、浩宮現皇太子殿下がオックスフォード大学留学中に英国大使を務めていました。彼女自身も外交官になることを考えましたが、女性が外交官テストを受けることはできても、当時は採用されるのは1人もいないという事実を知り、あきらめました。そこで、ヨーロッパ関係情報のスペシャリストとして、EC代表部の情報報道セクションで働くこととなりました。その後歯科医と結婚し、現在16歳になる娘もイギリスで勉強中です。

藤堂さんは2年前にディスレクシアについて勉強し始めました。「最初はウェブサイトから始めましたが、“dyslexia・ディスレクシア”という言葉で検索すると、アメリカやイギリスのサイトでは有用なものがたくさんひっかかるのに、日本では1ページもかすりもしないのには驚きでした。その後友人を通じて、日本ではこの症状のことを“Learning Disability(学習障害)”と呼ぶのだと知りました。日本の文部省(当時)はLDとディスレクシアを同じように定義して、日本にはLDが何人いるのかやっと調査を始めたところです。」

藤堂さんはすでにサービス会社を経営していますが、NPO EDGE(日本ディスレクシア協会)を立ち上げ、努力の甲斐あってその認定を受けることができました。「私達はできる限りのサポートを提供し、教師や親が学習するのための適切な教材の開発をしたいと思っています。また、ディスレクシアの子どもたちの本来の能力についての理解を広め、ディスレクシアかどうかを検査するための簡単で安価なスクリーニングテストを紹介し、ディスレクシアのための教材を開発していきたいと思います。議員会館で定期的に行っている研究会には、議員、マスコミ関係者、教師、教育専門家、文部科学省職員、医者、母親、その他興味を持った人々が参加しています。」

藤堂さんは現在、日本各地をまわってディスレクシア関連の寸劇を行うキャラバンの計画をしています。「時は熟したと思います。人々は理解し始めています。息子は学校で、先生方やその他の人々の認識のなさによってとても苦しんでいました。もし彼らがディスレクシアについて知っていたならば、学校システムや教室の中で少しでもサポートを受けることができたかもしれません。高いIQを持つディスレクシアの子どもは、彼らなりの学習方法を自身で編み出して授業に追いつくことができる場合があります。そのような能力がない子どもには、その子どもに応じた学習方法を教える必要があります。この世界には普通の(ordinary)子どもと、並はずれた(extraordinary)子どもがいます。そしてどんな子どももそれぞれ考慮されるべきなのです。」

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