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日本咀嚼学会理事長、齋藤滋先生からのメールです
日本咀嚼学会理事長の齋藤滋先生にメールをだしたところ、すてきなメールが帰ってきました! 先生からの許可を得られたので、ここに全文を公開します。
藤堂栄子様

Learninig Disability & Learning Differenceとの違いを区別する認識は私の不充分な医学的知識で考えても正当であると思います。

脳神経活動は多数のニューロンを中継する化学伝達物質,例えば,ド-パミン・グルコース・ヒスタミン等多数の化学物質の生成と分解によって,中枢から末梢へ伝達されます。 これらの一部機能不全をもってあらゆる知能を異常と
見る考えは非常識といえます。 だからこそ,Disabilityでなく,Differenceが正しいと思います。

二一世紀は脳の時代と云われるように,やっと人類は脳特に,記憶・感情・感覚等の科学的な解析を可能にして来ました。 日本人としてはアレルギー・免疫でノーベル賞を受賞した利根川 進先生の最近の研究は記憶のメカニスムです。

ノックアウト動物の実験として記憶に関わる海馬のCA−1領域の神経細胞の遺伝子を除去〔ノックアウトと言います)した結果,この領域が空間感覚の記憶を司る事が証明されました。 動物の知能に変化はありませんが,まっすぐ歩けない・飛べない状態になるようです。 この分野の研究は今後急速に発展します。

 私の在職時の最後の研究は噛む事によって生ずる感覚は脳のどの部分に入力されるかというテーマでした。 特に,海馬の神経細胞の遺伝子も食後明らかに活性化する事が遺伝子解析によって証明されました。  

 噛むことが想像以上に脳を刺激することは睡眠ぎみ運転で食べると眠気が覚めるだけでなく、野生動物が戦うとき/噛むとき知能も筋力も最大限に活動します。 私は歯科医師として,科学者として,最も敏感な脳への感覚入力器官の一つが歯であると信じています。
 
脳の記憶のメカニスムは痴呆症の研究とともに今後の発展が確かに期待されます。

以上,浅墓な知識で申し訳ありませんが,噛むことで好転する可能性のある症状としてLearning Differece が有ると信じております。

どうぞ,ご主人様にも宜しくお伝え下さい。

                                 敬具

                             齋藤 滋 拝



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