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提言:研究会の今後のあり方 下村博文衆議院議員
 時間も迫ってまいりましたので、ディスレクシアの位置付けと申しますか、今後の流れについて問題提起させていただきたいと思います。本当は今回の国会は教育改革国会で、非常に大きく変化する法案がたくさん出されているのです。ところがスキャンダルが先行して、そちらのほうの議論がなされないのがとても残念です。今年は本来なら歴史的な大きな変化のスタートとして、後日位置付けられるような年なのです。これまでのわが国の教育は、学力でも、成績でも分布図を作りますと、平均的な部分にあたる子どもたちの数が圧倒的に多く、できる子もできない子も少ないというのが実態でした。様々なスポーツにおいてもそういうことが言えます。つまり日本の教育というのは平均的な部分に重点が置かれ、画一的な、均一的な教育が行われてきたのです。少数のできる子にエリート教育は作らない、できない子にも特別なフォローはしない、つまり普通ではないと、特殊あるいは異質な存在と言う部分があり、平均的な子どもを作るようなシステムだったわけですが、もはやそういうシステムでは通用しないという中で、個性が違うように一人一人にあった教育が必要ではないかと、事実上の方向転換が今年から行われることになったのです。そのために色んな法改正がなされます。これについては、私が森上教育研究所のセミナーで講演をした部分が、先週発売された週刊朝日にそのまま記事になっています。本来は文部科学省がそういったことをどんどんPRすればよろしいのですが、国会がこういう状況であり、またマスコミがなかなか書いてくれないものですから、国民によく伝わらないのです。しかし教育問題は実質、このような動きになっているのです。例えば、自民党が、神奈川の藤沢ライナスのようなところが公的な学校として認められるシステムとしての研究開発学校という、法律を作らなくても既存の枠の中で作られるような改正をしたのですが、実際それを行うのは国ではなく、それぞれの自治体、すなわち教育委員会ですから、それが例えば藤沢の教育委員会が行わないというので、実現できないわけです。そのために例えば、昨年暮れの教育改革国民会議が17の提案をしたのですが今国会は、17の提案を受けて色んな法改正をしていこうということになっています。実際に半分ぐらいは着手しているのですが、その中のひとつとしてコミュニティスクールがあります。このコミュニティスクールでディスレクシアの対応をするということが、公立学校の中で可能になってくるのです。今までの公立学校というのは、良くも悪くも異質なものは認めないという部分がありましたが、それは間違っているということで、私立の学校そのものも簡単な許認可ができるような法改正の動きがあります。それと同時に、公立学校の中においても、地域の皆さんが既存の学校には不満があるから、自分たちで公立の学校を作ろうということができるようになります。これには、子どもひとりにつき小学生であれば140万円の税金が投入されています。次に教師や親が子どもを集めてくるわけですが、公立ですので日本中から連れて来るというわけにはいきません。そういうためにも今回の法改正の一環の中で、同時に通学区域の緩和もします。高校の通学区域に関しては全県一区でも良いとされています。小中学校でも、それぞれの自治体ごとに規制緩和しようということが国の要請としては各教育委員会に出されているのです。もっとも、教育は地方自治によるも部分が大きいので、実際は各自治体の判断に任せることになりますが、すでに品川区のように40の小学校を4つのブロックに分けてスタートしているところもあります。仮に40の学校全てにおいて規制緩和し、自由に学校を選ぶことができれば、そこに、コミュニティスクールを作ることができますし、品川区の子どもであればそこに行くことができるのです。そのコミュニティスクールには一人140万円ですから、10人集まれば1400万円、100人集まれば1億4000万円が投入されるのです。その中で教師の人件費等を賄えば、親たちから授業料を貰わなくても、運営することができるのですこれが、アメリカで言うところのチャータースクールにあたります。アメリカではすでに3000校近くできておりますが、こういう形でこれからはドラスティックな変化が行われる可能性が十分にあるわけです。そのためには、その子に合った教育という点で、ひとつはエリート校があっていいということを国民の意識感覚で持つ必要があると思うのです。それも個性ですから。一方でディスレクシアに対して、更に研究を重ねてそういう子どもたちが、実は登校拒否になったり、いじめに会ったりしているのは、こういう障害があるがためにそれが原因となっているということもあるかも知れませんので、正しく学問的に科学的に解明をする必要があります。そして、ドロップアウトしていくのではなく、イギリスのようにディスレクシアであることが幸せと意識できる社会環境や背景になるよう、文部科学省なり、LD学会等の学問的アプローチの中で改善していく必要があります。つまり多様化教育を認め、それぞれの個性や能力にあった教育をいかにしたら良いのか、そのためのシステムをこの国でどのように作るかを、より加速度がつくような形での運動をしていかねばなりません。そのことがこの国の子どもたちの一人一人の幸せを保証する環境作りにつながることだと思います。そういう意味で、とりあえず、遅れているほうのグラフのアプローチとして、ひとつはディスレクシア的な視点から取り組むのも数ある方法の中のひとつでしょう。実際にディスレクシア児が100万人いるのかどうかまだ、現状ではわかっていません。そのための調査に初めての取り組みで、文部科学省が5700万円の予算を付けたというのも画期的なことですので、是非、更なる飛躍を得るためにも、今後も行政の方にも参加していただきつつ、この会の皆様方と研究、討議しながら、行政のほうにもその声を反映していただくという形で取り組んでいかれたらと、考える次第です。このあとの残り時間で色んな方々にアドバイスを戴きながら、今後の研究会のあり方をご相談いただいてはいかがでしょうか。<植村>NPO・EDGEとしての取り組みについて、若干申し上げたいと思います。昨日特定非営利法人(NPO)EDGEの申請を、都庁に出してまいりました。EDGEの名前ですが、英文名ではJAPAN DYSLEXIA SOCIETY(JDS)と表記するものの、日本語名は現段階では、定義の面でまだまだ混乱も招きかねないので、あえてEDGEといたしました。本日定義等に関しましては、いろいろ討議されておりましたが、言葉の使い方は別として、基本的には1999年7月の文部省の定義の内容と同じ考え方で参りたいと思っています。EDGEの活動においては、まず、一つ目のステップとして特にイギリスの事例を調べる中でステイトメントがどのように出されているかを調査いたしまして、なおかつ日本でもそれと同じ様なことができる人材を育成しようということを考えております。二つ目のステップとしては、ディスレクシアが認定された人々に対するサポートです。イギリスやアメリカではすでにサポートのためのプログラムができていますので公教育と平行しながらですが、まずそれを移入し、そのサポートプログラムの担い手を日本国内で作っていくということを目指しています。具体的な進め方については、この研究会と平行しながら、EDGE設立準備会の中で協議していきますが、認可が下りた段階で正式に来年度の活動方針作成に移っていくことになろうかと思います。1800年代のイギリスでは、公教育が普及していく中で、かなりの部分をボランティアや宗教色のある学校が担っていて、公教育の基盤を先に実際に作ってしまっていました。そこに公教育のスキームをポンと乗せて近代国民教育にしていったとう流れがありますが、そういう意味でも、民間で担っていくことと、公教育とうまく連絡を取り合ってパラレルに進めていくことがおそらく、われわれの目指すところに向かって早く進んでいくのだろうなと感じます。以上からNPOでもできる範囲でどんどんやっていきたいと思います。
<下村>提案です。NPOはNPOとしてどんどんされたらよいと思います。しかし、それは独自に進めていかれて、こういう勉強会はあまりNPOというひとつの色だけで染まらない方がよいと思うのです。ひとつの色だけを打ち出しますと、一般の方々が入り難くなるということがあります。皆さんの運動が広がっていった時に、多くの方々からの問い合わせやリアクションがあった時に、あるいは今後いろいろな学者や運動家の方に加わっていただく時に、すでにNPOがあって、そのNPOがやっていますということになりますと、参加へのハードルが非常に高くなると思うのです。本日も党を超えてお集まりいただいているわけですし、こういう運動はできるだけ広い範囲での参加が望ましいですし、行政もそのほうがやり易い部分があるとおもいますので、ひとつの団体色はこのような勉強会の場では、控えたほうがよいと思います。文部科学省から何かありますか?

<池原>文部科学省もこの1月6日の省庁再編の折に、特殊教育課から特別支援教育課と変更になり、LDやADHDの子どもたちに対する施策に積極的に取り込むことになりました。この分野においてはまだまだ不十分で、これから実態把握や、研究が始まる状況ですが、先ほどからのお話にもありますように、国民感情というものもありますので慎重に進めていく点もありますので、そのあたりのご理解を戴きたいと思います。またこれまでも、LD親の会などには協力してまいりましたが、今後はさらにいろいろな団体とも連携を取り合いながら、LDに対する国民の理解をもっと深めて行く必要があると感じております。そのためにも今回のような取り組みに積極的に協力させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

<藤堂>われわれはNPOの一環としてできることを模索しておりますが、この研究会に関しては、われわれ以外のいろいろな団体の方々とネットワークを広め、一刻も早く日本国内でのLDに対する正しい認識をもっていただけるために、多くの学者、行政、教育、保護者等などの共有の場としたいと思っていますのでこういうミーティングを何回か続けていきたいと思います。今日は、同じ英語圏でもLDの解釈が異なることがわかりましたが、一方、Learning Disabilityという日本語訳の部分でDisabilityが「障害」ということが、親の感情を複雑にしていることもご理解いただきたいと思います。親として子どもを見ている時にLearning DisabilityならぬLearning Difference つまり学び方が違うのだということが判るのです。これまで福祉の対象にも特殊教育の対象にも入らなかったこの分野の人々に、なにかできることはないだろうかと模索するような場に、この研究会をしていきたいと思っています。次回の研究会にはLD学会の会長でいらっしゃる上野一彦先生に講演をしていただくことになっていますが、今後もこのような形で、いろいろな方々にご参加いただき、お話を伺いながら話し合う中で今後の方向性も見えてくるのではと思います。そして日本社会にも正しく受け入れられる日が、一日も早くやってくるように、進めてまいりたいと思います。

<植村>それでは次回は学芸大学の上野先生をお迎えして3/22にお勉強してまいりたいと思います。そして下村さんのご提案にもありましたが、今後この研究会はオープンな形で進めてまいりたいと思います。また、どんな方にもご参加いただき、特にNPOの活動ということにとらわれず広くこの問題について意見の交換をしていくことにしたいと思います。

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