研究会議事録研究会スケジュールリンク集掲示板Mailトップページへ

来賓挨拶
河村建夫文部科学副大臣
 多用につき限られた時間ですが、ディスレクシアへの理解を少しでも深めてまいりたいと思い、やって参りました。私自身、ディスレクシアという言葉は初めて耳にしましたが、日本では学習障害(LD)として一括されているようです。文部科学省ではどの程度取組がなされているか、調べましたところ、平成4年度から具体的に調査研究が始まっており、いろいろな報告を受けています。それらを踏まえて、平成13年度には5700万円あまりの予算を組みまして、全国的な調査を始めます。また、専門家による巡回相談も設けます。現場の教師が理解できていないことも実情ですので、それらにも対応できるようにいたしたく、更に欧米のように日本でもしっかりとした法制面も含めて条件を整備し、学校内のディスレクシアに対する遅れに十分な対応をしていくため、不備な部分を学びながらより充実させなければならないと思う次第です。この会が、そうしたことに意義のある会になりますことを祈念いたすところであります。



池坊保子衆議院議員
 文部科学省としての取り組みは、副大臣がお話された通りですので補足するものはございませんが、私はLDに対して知識が少なく、下村議員より今回の勉強会のことを伺い、これは是非参加したいと万難を排して参りました。私はもとより、教育は初等・中等期が根幹をなすものだと考えております。そしてそれぞれの持つ個性、人とは違う自分、人との差を認め合う、個人に合った教育が必要なのだと思います。現在私は、引きこもりやADHDを研究中ですが、アメリカではすでに対応がきちっとなされていて、ADHDの子どもたちが走り回ることに対しては普通のこととして、対策がとられています。しかし、日本では対応が一歩も進んでいない状態です。したがっておそらくLDに対しても実情を把握できていないのが現状であろうと思われます。先日TVでLDの様子を知り、私にとっても始めの一歩ですが来年度からは、文部科学省もこの課題に取り掛かり対策を検討してくという大きな第一歩を踏み出します。私もこの会において皆様とともに是非、個性を伸ばせるような教育を目指すべく頑張りたいと思います。



山谷えり子衆議院議員
 新聞記者時代にアメリカで、LD児対策において、多くのネットワークや、その愛情と理解の層の厚さを感じ、日本ではこのような問題がないのだろうかと疑問を抱いたことを思い出します。実際日本でもそのような問題はあったわけですが、問題意識の薄さや実態把握をし、問題をきちんと整理してこなかったことが、ここまで来てしまった問題点だと思います。しかしこの度、このような形で、様々な立場の人が集まって、問題意識を共有し立ち上がっていく中で、スピードアップして様々な対策が進められると思うと同時に、今後はたくさんの人々の愛情と理解、暖かいネットーワーク作りをひろげていかねばならないと思います。その意味では今日はすばらしい第一歩だと思います。



下村博文衆議院議員
 本日は委員会と重なり、一時中座することになりますが、とりあえず一言申し上げたい。わが国の現教育システムでは、エジソンもアインシュタインも育たないだろうと思われます。登校拒否、いじめ、学級崩壊などの原因に、もしかしたらディスレクシアのような要因の判らないような状況の中で、理解されないままストレスがたまりドロップアウトしていってしまっている子が多いということもあり得るのではないでしょうか。イギリスの統計を借りれば、日本では117万人の小中学生がディスレクシアの可能性があるかも知れないのです。イギリスではこのような子供たちに対して、知的障害ではないがゆえに、ケンブリッジやオックスフォードへも彼らのための枠が用意され、入学もかなっているのです。このように日本でも今までとは違った光の当て方をすればどんどん伸びる可能性のある子供たちも、現況のシステムでは自信を喪失させている部分が多々あるのではないでしょうか。わが国のこれからの教育の課題として、どのように光を当てていくかが問われるところであり、ディスレクシアへの取り組みがその突破口のひとつとなるかも知れません。そしてまた、この会で皆様方とわれわれとともに協力し合うことにより、新しい個性を切り開く教育への突破口にもなりますよう、活動して参りたいと思います。よろしくお願いいたします。



文部科学省:学習障害児への対応状況と21世紀の特殊教育への取り組みについて
池原充洋文部科学省特別支援教育課長
 お手元の参考資料をご覧ください。(1.学習障害児への対応について 2.21世紀の特殊教育の在り方について 3.学習障害児に対する指導体制の充実事業 4.特別支援教育の在り方に関する調査研究 5.学習障害児の理解に向けて・・・教師用パンフレット)学習障害に対する文部科学省の取り組みは平成4年6月の有識者による調査研究協力者会議が設置され、始まりました。中間報告を経て平成11年7月に調査研究の報告が取りまとめられ、学習障害の定義・学習障害の判断・実態把握基準(試案)・学習障害児に対する指導方法等の概要が決定いたしました。定義は「学習障害とは、基本的には知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」となっており、ディスレクシアはその中に含まれております。指導形態といたしましては、通常の学級においては、チームティーチングによる指導や担任の配慮した指導が考えられます。また、通常の学級以外の場における指導として、個別指導や授業時間外の個別指導が考えられます。しかし、いずれにいたしましても指導を担任のみに委ねるのではなく、教職員の共通理解に努め、学校全体の支援体制を構築する必要性があるのは言うまでもありません。その他、平成4年度から11年度の間に調査研究のモデル校として数県に協力を依頼し、更に平成8年度から11年度には指導相談事業も設けました。また、本日お配りした資料に、教師用向けのパンフレットがございますが、このようなものも配布しております。さらに、神奈川県横須賀市にあります国立特殊教育総合研究所において、平成7年度から11年度まで年に1回、毎回100名程度を対象にした学習障害児等指導者講習会を開催いたして参りました。以上の取り組みを踏まえ、来年度(平成13年度)からは、文部科学省といたしましては、学習障害児に対する巡回相談や指導体制の充実を行う事業を47都道府県すべてに委嘱するとともに、学習障害児のほかADHD、高機能自閉症児など特別な教育的支援が必要な児童生徒に対する教育の在り方を、有識者を集めて検討する一方で、小中学校における全国的な実態調査を開始いたします。さらには10月から新たに学習障害等担当の特別支援教育調査官を1名新設いたします。国立特殊教育総合研究所においても、学習障害児の評価、指導方法、支援体制に関する実証的研究と学習障害児等指導者の講習会も行います。以上、文部科学省の現状と今後の取り組みについて説明いたしましたが、詳細は配布いたしました資料をご参考になってください。

戻る